赤松隆成(法住寺住職)
声明はお経に節をつけてお称えするのですが、後白河法王は声を出して称えることが仏道と悟られ、夜昼問わず称えられました。比叡山では常行三昧と言って、「ナムアミダブツ」をゆっくり歩きながらお称えし、心を調えます。それを、九十日を一区切りにして大きな声で称えます。吸った息を声にする。そしてまた息を吸い、声にする。心を統一し、仏と一体になる。自分というものを捨て去るんですね。それはやがて救いの仏教として称名念仏へと移っていくのです。