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※敬称略、肩書きは掲載当時のものです。
一面 平成29年1月発行:第89号

用心を怠らず用心に囚われない世阿弥の稽古論

「私」から離れることで自ずと何かがはたらき出す

西平直(京都大学教授)

学習者が理論やテクニックを学び、自分の力で事態をコントロールする。これを世阿弥は「用心」と表現しました。文字通り「心を用いよ」と言う意味です。世阿弥は「用心」を強調しますが、それは教えの半面に過ぎません。理論やテクニックから離れる、自分の力に頼らず明け渡していく。これが世阿弥の教えである「無心」です。では何故「用心」から教えるのでしょう。どうやら、一番大切な「無心」は直接狙ってはいけないようです。間接的に生じてくるように「用心」して準備する。「用心を怠るなかれ、しかし用心に囚われることなかれ」ということが大切になるわけです。

一面を飾った方々。※敬称略、肩書きは掲載当時のものです。

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