簡易体操と基本体操
以下の説明はあくまでも参考までにご覧ください。
ヨーガというものは「形」を追うものではなく、この通りにやらなければならないということはありません。佐保田先生も「十人いれば十通りのヨーガがあっていい」と仰っています。また、ヨーガは創意工夫が許されるもので、自らが体と対話をしながら深めていくべきものだとも付しておられます。皆さんも自分自身のヨーガを探究していってください。
01
基本体位
①まず床の上に金剛坐で坐ります。坐り方は、両膝をそろえて、左右の足裏は重ねずに親指がふれる程度に近づけます。腰を立て、背骨をまっすぐ伸ばし、あごを引いてうなじを立てます。肩の力を抜き、両手を膝の上に置きます (図1)。
②目を軽く閉じて鼻先か眉間に意識を置いて、ゆっくり静かに呼吸を行い、心と体をリラックスさせます。
02
上体を前に伸ばす体操
①基本体位から両手をそろえて膝前の床につけます。
②息を出しながらお腹をへこませ、背中を丸めます。
③息を入れながら顔を上げていき、背骨をよく伸ばします。
④息を出しながら両手をまっすぐ前にすべらせ、上体を前に倒していき、指先をできる限り遠くに伸ばして、額が床につくようにします(図2)。この時、お尻が足裏から離れて腰が浮かないようにします。上半身は力を抜き、呼吸をしながらこの体位を保ちます。
⑤息を入れながらゆっくりと基本体位に戻り、しばらく休みます(図1)。
03
上体を左右にねじる体操
①基本体位から上半身を右へ捻り、左手を前向き、右手を後ろ向きにして、右膝の外側に手首を合わせて置きます。
②息を出しながらお腹をへこませ、背中を丸めます。
次に、息を入れながら顔を上げていき、背骨をよく伸ばします。
③息を出しながら、左手は前方へ、右手は後方へまっすぐに床をすべらせます。上体は自然に前に倒れていき、最後に額が床につきます。この時、お尻が足裏から離れて腰が浮かないようにします。
④前方の左手はできるだけ右前の方に寄せて、左の脇腹を伸ばすようにし、呼吸をしながらこの体位を保ちます。
⑤息を入れながらゆっくりと基本体位に戻り、しばらく休みます(図1)。
⑥左側も同様に行います(図3)。
04
脇を開く体操
①基本体位から胸の前で合掌し(図4)、静かに息を出します。
②息を入れながら、合掌した両手をゆっくりとまっすぐ上に伸ばしていきます(図5)。
③両腕が十分に伸び、息が胸に満ちたところで、息を止めたまま合掌の手を左右に開きながら指を折り、握りこぶしを作っていきます(親指を4本の指で包み込みます)。同時に、顔を上げ首を後ろに反らせていきます。
④首を後ろに反らすと同時に、握りこぶしを後ろ側にねじりながら、両腕を思いきり後ろへ伸ばして、胸郭を十分に開きます(図6)。ここまでは息を出すことを止めておきます。
⑤ゆっくりと頭を起こし、両腕を肩と水平の位置に戻してから、息を出しながら、上体を前に倒していきます。同時に、両腕を後ろにまわして、できるだけ高く上げていき、額を膝に引き寄せます。
頭が床についた時に息を出しきります(図7)。このとき余裕があれば喉を前に伸ばし、床にあごをつけます。
⑥あごを戻してから、息を入れながらゆっくり上体を起こし、両手は戻して胸元で合掌します。ゆっくりと息を出して体をゆるめ、しばらく休みます。
⑦同じやり方で2~3回行います。
05
上体を後ろに伸ばす体操
①基本体位から両すねを開いてお尻を床につけ、割り坐で坐ります。
②肘を片方ずつ床につきます。肘に体重をかけながら、ゆっくり上体を後ろに傾けていきます。後頭部が床についたら背中を徐々に床におろし、両腕は体に沿って伸ばします(図8)。手はお腹の上で組んでもよいです。
③目を閉じて意識を眉間か体の一部に置いて、この体位を保ちます。
④腰を痛めないように片足ずつそっと膝を立てて腰をゆるめます。緊張をほぐすために、腰を左右にゆらしたり、両膝を両腕で抱えるのもよいでしょう。その後、シャバ・アーサナ(屍の体位)で全身をゆるめます。