最新号のご紹介
敬称略、肩書きは掲載当時のものです。
令和8年7月発行:第143号
別所が生んだ「無縁」のネットワーク
「新しい伝統をつくる」次代への構想を語る
福家俊彦(天台寺門宗総本山三井寺長吏)
三井寺は交通の要衝にあり、中世には修験や芸能・職能民のネットワークが発達しました。境内の南側には「別所」とされた地域があり、正規の僧侶だけでなく社会の枠組みから外れた人々が身を寄せ、一種のアジール(避難所)にもなっていました。
天台の根本には平等思想があります。私も平等・自由であることが最も大事な価値観だと考えています。歴史上の別所が担ってきたのも、まさにそういった役割だったと思います。『男はつらいよ』の寅さんのような人がそれなりに生きていける余地を、社会のどこかに確保したいと考えてきました。そして、故松岡正剛さんと共に「近江ARS」というプロジェクトで試みてきた、誰もが同じ土台に立って話せる「座」の文化を、別所という形で境内に具体化しようと計画しています。十年、二十年かけてやっていく仕事であり、私の代で終わるものではありません。単に伝統を守るだけでなく、新しい伝統をつくっていくんだという意識を、次世代の若いお坊さんたちにも持ってもらいたいですね。
バックナンバー
一面を飾った方々。
敬称略、肩書きは掲載当時のものです。
81号~100号
-
第100号
前田專學
(公益財団法人 中村元東方研究所理事長)インドに根ざすバニヤン大樹のごとく
-
第99号
静慈圓
(高野山 第五百十九世寺務検校執行法印)空海と高野山の縁により唐密復興を後押し
-
第98号
老松克博
(大阪大学教授)無意識が関与する心の免疫システム
-
第97号
宮本祖豊
(比叡山十二年籠山行 満行者)比叡山で最も厳しい十二年籠山行とは
-
第96号
山下良道
(鎌倉一法庵 住職)根源意識からの気づきがマインドフルネス
-
第95号
崎浜キヌ
((株)ケイショウカイ 栄養クリニック主催)食物は私たちの命そのもの
-
第94号
大保木輝雄
(埼玉大学名誉教授)斬るべき相手は自分の邪心
-
第93号
添田清美
(高野山 蓮華定院前住職 夫人)97歳の今も現役-高野山・宿坊の“親奥さん”
-
第92号
高橋徳
(総合医療「クリニック徳」院長)米国の大学で研究し鍼のストレス緩和効果を解明
-
第91号
アナ・マリア・クリスティーナ
(アートセラピスト)アートヒーリングには内観のプロセスが大事
-
第90号
小川康
(チベット医)チベット医学のあり方そのものが仏教的
-
第89号
西平直
(京都大学教授)用心を怠らず用心に囚われない世阿弥の稽古論
-
第88号
クリシュナ U.K.
(日本アーユルヴェーダ・スクール・校長)アーユルヴェーダは生きることの知恵・学問
-
第87号
平岡宏一
(清風中学校・高等学校校長)仏の身体を得るグヒヤサマージュの行を毎日続けて
-
第86号
藤田一照
(曹洞宗国際センター所長)シャヴァーサナは完全なる明け渡し
-
第85号
プラユキ・ナラテボー
(タイ・スカトー寺住職)手動瞑想・・・「今ここ」をリアルに気付く工夫
-
第84号
有田秀穂
(東邦大学名誉教授)爽快な元気を心身に与える脳内物質セロトニン
-
第83号
櫛谷宗則
(禅僧)手放し百千万発の一生が悟り
-
第82号
小田まゆみ
(アーティスト)現代に目覚めた「女神」
-
第81号
上原巌
(東京農業大学教授)心身を健やかに導く「森林療法」