敬称略、肩書きは掲載当時のものです。
令和6年11月発行:第135号
弘法大師の入定留身に本源から迫る
人は死なない事例や固有の来世観で
添田隆昭(高野山大学学長)
物心ついた頃には入定留身の話が耳に入って来て、何でお大師様は今も生きておられると言えるのかという疑問は最初からありました。入定留身を大師信仰の基盤とする私たちの立場からすれば、死が終わりでなく、人は肉体が滅んでも死ぬことはなく、死後にどう生きているのかを証明していくことが最も重要で、書籍の執筆にあたり、その証拠となりそうな事例を幅広く集めました。
現代は、むしろ日本人が古来から持って来たメンタリティ、来世観が蘇ってくる時代です。亡くなった人たちはどこにも行かないし、無に帰すこともなく、私たちが暮らすこの空間に一緒にいます。そうした人は死ぬことがなく、死んだ後もこの同じ空間を共有するという来世観が今後はさらに見直されていくと思います。この延長線上に、弘法大師は死んでいない今も高野山の岩陰にいらっしゃるという入定留身がリアリティを持つのです。
一面を飾った方々。
敬称略、肩書きは掲載当時のものです。
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第60号
達野百合子
(Be born助産院)母と子の心身の健康を目指して
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第59号
加地伸行
(立命館大学教授)沈黙の宗教-儒教
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第58号
吉津宜英
(駒澤大学教授)「自灯明・法灯明」を生きる
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第57号
三橋健
(國學院大學大学院客員教授)「清く正しく美しく」生きる
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第56号
信子ナルマダー
(リシケーシ在住)シヴァ-ナンダ師の教えに導かれて
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第55号
香取薫
(インド・スパイス料理研究家)インドの家庭料理で健康に
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第54号
武田道生
(宗教学者)人は存在としては死なない
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第53号
篠原鋭一
(自殺防止NPO理事長)「自分であれ他人であれ、殺してはならない」
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第52号
平本夢想
(画僧)病に導かれて画僧の道へ
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第51号
カルロス・グェラ、中村徳子ご夫妻
(インド音楽家)自分自身を音楽に捧げる
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第50号
坂本要
(仏教民俗学者)念仏は一種の呼吸法に基づいている
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第49号
HSシャルマ、イナムラ・ヒロエ・シャルマご夫妻
(大阪アーユルヴェーダ研究所)二人三脚でともに歩んだ30年
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第48号
北本福美
(音楽療法士)「老い」や「死んでいく」ことに寄り添う
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第47号
大下大圓
(飛騨千光寺住職)「道」…誰かが最初の一歩を
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第46号
中井吉英
(心療内科医)心療内科はからだとこころを分けずに診る医療
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第45号
ツプテン・パルダン
(ラダックの高僧)生命を尊び、仏の教えを守って生きる
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第44号
赤松隆成
(法住寺住職)心から声にして歌うことが仏の道
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第43号
山崎泰廣
(高野山真言宗大僧正)三昧は緊張と弛緩のバランスが大事
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第42号
石上善應
(淑徳短期大学学長)「往生を誤らざる事」
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第41号
杉谷義純
(寛永寺両大師堂輪番)宗教間の対話・協力に尽力