最新号のご紹介
敬称略、肩書きは掲載当時のものです。

令和7年5月発行:第137号
「自我を消す」仏師の境地
「発願」に応え仏様を「迎える」
今村九十九(大仏師)
昔ながらの徒弟制度が残る最後の時代に中学卒業と同時に仏師の道に入り、師匠からは仏師としての心構えをはじめ、生き方の全てを学びました。
仏師は、単に伝統技術を受け継ぐだけの職人であってはなりません。僧侶と同じように、人々の祈りを受け止め、仏の世界を形にするという、極めて宗教的な役割を担う存在であるべきです。師匠の言葉を通して、「仏像を彫る」とは、技術や個性を誇示するのではなく、むしろ「自分」を消し去り、心を空にして仏様を想い、念じて、仏様がこの世に「顕れる」ための依り代となることだと理解しました。仏師の意識として、最初は仏像を「造る」という気持ちが強いですが、それが「顕す」へと変化して行き、最終的には仏様を工房に「迎える」という心境に至ることが理想です。仏師の仕事は単なる技術ではなく、「仏師行」であり「仏師道」であると思って、日々を生きています。
バックナンバー
一面を飾った方々。
敬称略、肩書きは掲載当時のものです。
1号~20号
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第20号
古川貞二郎
(前内閣官房副長官)一念一念と重ねて一生なり
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第19号
東隆眞
(金沢・大乗寺住職)坊さんとして世の中につくす
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第18号
丸山勇
(写真家)「仏像撮影は「太陽は一つ」をイメージ」
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第17号
高島龍照
(高島易断総本部神聖館会長)易の基本原理は三つ
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第16号
上川名清次郎
(東京信用金庫会長)ヨーガで健康の貯蓄を
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第15号
菅原信海
(妙法院門跡門主)仏と神と日本人
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第14号
上馬塲和夫
(医学博士・国際伝統医学センター次長)アーユルヴェーダは生命の科学
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第13号
山崎正
(福井大学名誉教授・(社)ヨーガ研究所主宰)“生活ヨーガ”は人生のヨーガ
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第12号
立川武蔵
(国立民族学博物館教授)空の思想とヨーガについて
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第11号
佐藤良純
(大正大学名誉教授)各教典の仏伝説話を語る
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第10号
甲田光雄
(医学博士)健やかに老いるために
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第9号
堀澤祖門
(大僧正・叡山学院院長)現代は理性による第四氷河期
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第8号
柳一夫
(新東京病院外科科長)明るく楽しく生きるために
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第7号
井上貴子
(大東文化大学助教授)南インドの音楽は神々の歌
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第6号
水島司
(東京大学教授)経済史学から見たインド社会
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第5号
島薗進
(東京大学教授)新新宗教の現場を歩いて
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第4号
田上太秀
(駒澤大学教授)善なるものとはーあらゆる生物のためになるもの
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第3号
大貫稔
(浦和短期大学学長)西洋医学から見たヨーガのあらゆる効用
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第2号
保坂俊司
(麗澤大学教授)仏教ヨーガは日本を救う手段
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第1号
奈良康明
(曹洞宗総合研究センター所長)ヨーガと禅を語る