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たいまつ通信

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敬称略、肩書きは掲載当時のものです。

今村九十九

令和7年5月発行:第137号

「自我を消す」仏師の境地

「発願」に応え仏様を「迎える」

今村九十九(大仏師)

昔ながらの徒弟制度が残る最後の時代に中学卒業と同時に仏師の道に入り、師匠からは仏師としての心構えをはじめ、生き方の全てを学びました。
仏師は、単に伝統技術を受け継ぐだけの職人であってはなりません。僧侶と同じように、人々の祈りを受け止め、仏の世界を形にするという、極めて宗教的な役割を担う存在であるべきです。師匠の言葉を通して、「仏像を彫る」とは、技術や個性を誇示するのではなく、むしろ「自分」を消し去り、心を空にして仏様を想い、念じて、仏様がこの世に「顕れる」ための依り代となることだと理解しました。仏師の意識として、最初は仏像を「造る」という気持ちが強いですが、それが「顕す」へと変化して行き、最終的には仏様を工房に「迎える」という心境に至ることが理想です。仏師の仕事は単なる技術ではなく、「仏師行」であり「仏師道」であると思って、日々を生きています。

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