最新号のご紹介
敬称略、肩書きは掲載当時のものです。
令和7年9月発行:第139号
「星は神様」インド占星術の叡智
カルマを受け入れ、あるがままに生きる
山口 豊(東京情報大学・大学院教授)
十代の頃から神経症的な症状に度々悩まされましたが、その度に転機が訪れました。森田正馬先生の「あるがままに生きる」という言葉に出合い長年の精神的葛藤が一瞬で消失するという驚くべき体験をしたり、密教の加持祈祷という「祈り」で心身が変わる経験をしたり、さらには、インド占星術師に自らの抱える困難を言い当てられたことで、私の人生に大きな変化が訪れました。
インド占星術は「ジョーティシュ」と呼ばれ、「光の科学」あるいは「神の光」を意味します。単なる占いではなく、古代インドの聖典「ヴェーダ」の補助学問として位置づけられ、人生の様々な問題に対処する実践的学問として確立されています。インド占星術を学ぶ過程で、理不尽と感じていた苦しみを、過去生の私の悪いカルマが今生に返ってきている自己の責任と報いであると受けとることができるようになり、心が非常に楽になりました。自分の運命を受け入れることができたということですね。それは、あたかも森田療法の「あるがまま」の境地にも通じる心の解放と言えます。このことは、私の心理臨床の基礎にもなっています。
バックナンバー
一面を飾った方々。
敬称略、肩書きは掲載当時のものです。
101号~120号
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第120号
ハナムラチカヒロ
(大阪府立大学准教授)風景“異化”でモノの見方が変われば世界は変わる
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第119号
加納和雄
(駒澤大学准教授)中世南インドの料理書『料理の鏡』『心の喜び』を研究
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第118号
浅見千鶴子
(NPO法人日本カラリパヤットゥ協会)強くしなやかな体に変わる奥深い健康法
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第117号
林久義
(ウッディヤーナ山タルタン寺山主)師の教え「ダルマを形に顕す」に邁進
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第116号
伊藤佳代
(台湾・国立中山大学西湾学院助理教授)台湾留学が宗教音楽の黎明期と巡り合わせ歌手に
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第115号
横地優子
(京都大学大学院文学研究科教授)女神信仰の背景に南アジアの基層文化が影響か
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第114号
藤野正寬
(京都大学オープンイノベーション機構特定助教)集中瞑想と洞察瞑想を脳科学から分析
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第113号
中牧弘允
(吹田市立博物館特別館長)二〇二五年大阪・関西万博に向けて
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第112号
原田憲一
(比較文明学会会)災害が肥沃にしてきた恵み豊かな日本列島
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第111号
岡澤恭子
(絵解き師)「涅槃図」の絵解きに全身全霊を込め
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第110号
堀澤祖門
(三千院門跡門主)追悼 石田祐雄道院長
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第109号
矢野道雄
(京都産業大学名誉教授)科学の面からインド文化を広く捉え直す
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第108号
村川治彦
(関西大学人間健康学部教授)よみがえりの地・熊野から新たに潮流を
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第107号
横田南嶺
(臨済宗円覚寺派管長)「念ずれば花ひらく」めぐりあいの不思議
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第106号
永沢哲
(上智大学グリーフケア研究所客員准教授)ヨーガを体系的に組み込むチベット仏教
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第105号
蓑輪顕量
(東京大学大学院人文社会系研究科教授)ヴィパッサナーで戯論が生じないよう心を調える
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第104号
池埜聡
(関西学院大学人間福祉学部教授)第二世代のマインドフルネスの鍵は〝関係性〟
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第103号
横山紘一
(立教大学名誉教授)唯識を通して「いのち」そのものを探求する
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第102号
黒木賢一
(芦屋心療オフィス代表)〝気〟を情報として捉え心理臨床に活用
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第101号
加藤眞三
(慶應義塾大学看護医療学部教授)〝患者学〟で促す医療者と患者の協働